No.63(フランク王国) :
「小ピピンと教皇それぞれの下心とは何か?」
小ピピンはカロリング朝を開くに際して、権威付けのために教皇の支持を得た。ま
た、教皇はその見返りとして小ピピンに、ビザンツ帝国や異端のアリウス派のゲル
マン国家からの保護を求める。この関係は、756年に小ピピンが、北イタリアのロン
バルド族討伐に成功し、ラヴェンナ地方を教皇に献じたことによりますます深まった。
<評価の観点>
関心・意欲・態度:
中世ヨーロッパ社会での政治権力や軍事力と、宗教的権威の結びつきや役割分担
について、我が国の幕府と天皇や、イスラーム社会のスルタンとカリフの関係を想起
することによって、意欲的に学習しようとしている。
思考・判断:
初代クローヴィスのアタナシウス派への改宗に始まった、フランク王国とローマ=カ
トリック教会の提携が、小ピピンのカロリング朝成立に際して、決定的に強まったこ
との意義について的確に判断している。
資料活用の技能・表現:
地図上にラヴェンナ地方とローマ市を図示し、フランク王国やロンバルド王国を含め
た位置関係を確認している。
知識・理解:
フランク王国とローマ=カトリック教会の提携が、「権威付けの必要な小ピピンと、用
心棒が必要なローマ教皇」という下心に基づくものであることを理解している。